英語で数字を読み上げる技術|億・兆・小数点・年度が伝わらない4つの原因
英語の会議で数字だけ聞き返される理由は、語彙ではなく読み上げの型にあります。桁の区切り、小数点、年度、パーセントの4か所で起きるずれを整理し、そのまま使える読み方と練習手順をビジネス英語コーチングの視点で解説します。

| よくある場面 | 起きていること |
|---|---|
| 説明は通じたのに、数字だけ聞き返される | 桁の区切り方が日本語のままになっています |
| 相手が急にメモを止めて確認してくる | 小数点やパーセントの読み方がずれています |
| 「2026年度」が伝わらない | 年度という概念そのものが英語にありません |
| 資料は正しいのに口頭で誤解される | 読み上げの型を決めていません |
英語の会議で、説明は問題なく進んでいたのに数字のところだけ聞き返されるという経験をされた方は多いところです。
原因は語彙ではありません。日本語と英語では、数字を区切る位置と読み上げる順番が違います。頭の中で日本語の桁のまま英語に置き換えると、そこで必ず詰まります。
この記事では、詰まりが起きる4か所を挙げ、それぞれに使える読み方と練習の手順をまとめます。
要約
- 説明は通じたのに数字だけ聞き返される。つまずくのは、いつも同じ4か所です。
- 桁の区切りが日本語のまま、小数点とパーセントの読み方のずれ、英語にない「年度」、概数の言い方を持っていないこと。
- どれも語彙ではなく型の問題です。4つの原因ごとに直し方と練習の手順を示しました。
つまずくのは、いつも同じ4か所
| 原因 | 具体例 |
|---|---|
| 1. 桁の区切りが違う | 1億 → hundred million |
| 2. 小数点の読み方 | 6.2% → six point two percent |
| 3. 年度が英語にない | 2026年度 → fiscal 2026 |
| 4. 概数の言い方 | 約2,000万 → around twenty million |
この4つ以外で数字が伝わらないことは、ほとんどありません。逆に言えば、この4か所を押さえるだけで数字の事故は大きく減ります。
原因1:桁の区切りが日本語のままになっている
いちばん大きな原因がこれです。
日本語は4桁ごとに単位が変わります。万、億、兆です。英語は3桁ごとに変わります。thousand、million、billion です。区切る位置そのものが違いますので、日本語で数を思い浮かべたまま英語にしようとすると、必ず変換が要ります。
| 日本語 | 数字 | 英語 |
|---|---|---|
| 1万 | 10,000 | ten thousand |
| 10万 | 100,000 | one hundred thousand |
| 100万 | 1,000,000 | one million |
| 1,000万 | 10,000,000 | ten million |
| 1億 | 100,000,000 | one hundred million |
| 10億 | 1,000,000,000 | one billion |
| 1兆 | 1,000,000,000,000 | one trillion |
この表で覚えておきたいのは、1億 = hundred million と 10億 = billion の2行です。ここを間違える方がとても多く、しかも桁が1つ違うので、相手には大きな誤りとして伝わります。
関連: 投資家との英語対話で外せない4つのポイント|経営者が数字を守り切るためのエグゼクティブ英語 で詳しく解説しています。
会議の直前にできる対策
覚え直す時間がないときは、資料の数字に英語の読み方を書き込んでおくのがいちばん確実です。
「売上高 1億2,000万円」の横に、小さく "120 million yen" と鉛筆で書いておきます。読み上げるときはそれを読むだけですので、変換そのものが発生しません。
慣れないうちは、この方法で構いません。会議中に暗算をしないで済む状態を作るほうが、結果として速く上達します。
原因2:小数点とパーセントの読み方がずれている
小数点は point と読みます。ここは単純です。
- 6.2% → six point two percent
- 0.5% → zero point five percent(英国式では nought point five)
- 12.75 → twelve point seven five
注意していただきたいのが、小数点以下は1桁ずつ読むという点です。12.75 を twelve point seventy-five とは読みません。seven five です。ここは日本語の感覚と違いますので、意識しないと出てきません。
パーセントの増減にも型があります。
| 言いたいこと | 英語 |
|---|---|
| 6.4%から6.2%に下がった | It eased from 6.4 to 6.2 percent. |
| 2ポイント上がった | It rose by two percentage points. |
| 2%上がった | It rose by two percent. |
3行目と2行目はまったく違う意味です。percentage point は差そのもの、percent は割合の変化を指します。5%が7%になったとき、これは 2 percentage points の上昇であり、40 percent の上昇です。ここを混ぜると、数字が正しくても説明が誤りになります。
関連: 「上がり方が緩んだ」を英語で伝える技術|インフレ率の発表で学ぶ、鈍化・据え置き・目標超えのビジネス英語 で詳しく解説しています。
原因3:「年度」という概念が英語にない
日本語の「2026年度」は、4月から翌年3月までを指します。英語圏の多くの会社では会計年度の区切りが違いますので、そのまま "2026" と言うと暦年と受け取られます。
使い分けは次のとおりです。
- fiscal 2026 または FY2026 … 会計年度としての2026年度
- the year ending March 2027 … 誤解の余地がない言い方
- calendar 2026 … 暦年の2026年(1月〜12月)
いちばん安全なのは2つ目です。少し長くなりますが、相手の会社の区切りに関係なく一意に伝わります。初めての相手や、数字が重要な場面ではこちらを使ってください。
四半期も同様です。日本の第1四半期は4〜6月ですが、相手にとっては1〜3月かもしれません。our first quarter, April to June のように、期間を添える習慣をつけると事故が減ります。
関連: 海外提携交渉の英語は「売る交渉」と別物|日本企業がアライアンスで押さえる4つの論点 で詳しく解説しています。
原因4:概数の言い方を持っていない
正確な数字を言うべき場面と、おおよそでよい場面があります。後者で正確な数字を読み上げようとして詰まる方が多いところです。
概数には、覚えやすい型があります。
- around … 約(いちばん使いやすい)
- roughly … おおむね(aroundよりくだけた印象)
- just over / just under … 少し上/少し下
- in the region of … 〜前後(やや硬い言い方)
例を挙げます。
- 1億2,340万円 → around 120 million yen
- 9,800万円 → just under 100 million yen
- 3年から5年 → three to five years
桁が大きいほど、概数のほうが伝わります。 細かい数字は資料に書いてありますので、口頭では丸めて言い、「詳細は資料の3ページです」と添えるほうが、相手にとっても親切です。
練習の手順
| 手順 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1. 自社の数字を10個書き出す | 会議で実際に使う数字を選びます | 10分 |
| 2. 英語の読み方を横に書く | 単位の変換をここで済ませます | 15分 |
| 3. 声に出して録音する | 詰まる桁を特定します | 5分 |
| 4. 音声入力で確かめる | 機械が正しく聞き取るかを見ます | 5分 |
手順1では、実際に使う数字を選んでください。 教材の例文ではなく、自社の売上、人数、期間、比率です。使わない数字を練習しても定着しません。
手順3の録音は省略しないでください。 書けている数字でも、声に出すと詰まる桁があります。詰まるのはたいてい億と1,000万の境目です。
手順4は簡単で効果的な確認方法です。 スマートフォンの音声入力を英語に設定し、書き出した数字を読み上げてみてください。機械が別の数字として認識した箇所が、そのまま相手に聞き取られにくい箇所です。人は聞き返す努力をしてくれますが、機械はしてくれません。
なお、AIの翻訳ツールで数字を確認するのは下準備には有効ですが、会議中に相手の反応を見ながら言い直す力は別に要ります。桁の変換を体に入れ、聞き返されない発音まで整えるには、専任の講師によるマンツーマンの指導が確実です。
FAQ
Q: 桁の変換を暗算でできるようになりますか?
A: なります。ただし、まず「1億 = hundred million」「10億 = billion」の2つだけを完全に固定してください。この2つを基点にすれば、残りは掛け算で出せます。全部を同時に覚えようとすると、かえって定着しません。
Q: 英国式と米国式で違いはありますか?
A: 現在の billion と trillion については、実務上どちらも同じ意味で使われています。違いが出るのは 0 の読み方(zero と nought)と、日付の順序です。相手に合わせる必要はありませんので、どちらかに統一して使ってください。
Q: 資料を画面共有していれば、口頭の数字は多少ずれても大丈夫ですか?
A: 大丈夫ではありません。相手は画面と音声の両方を受け取っていますので、食い違うと「どちらが正しいのか」という確認が入ります。むしろ資料があるからこそ、口頭は丸めた数字にして、正確な値は資料に任せるほうがきれいに進みます。
Q: 数字を言うときだけ発音が崩れる気がします。
A: よくあることです。数字は覚えた語の中でも音を意識せずに言いがちで、とくに thirteen と thirty、fifteen と fifty の区別が崩れやすいところです。この2組だけは、強く読む位置が違うことを意識して練習してください。
Q: 相手が数字をメモしているとき、話す速度はどうすればよいですか?
A: 数字の直前で一拍置き、数字だけを少しゆっくり読んでください。文の速度を落とす必要はありません。数字の前後に間を作るだけで、聞き取りやすさは大きく変わります。
数字は語彙ではなく、型の問題
英語の会議で数字だけ聞き返されるのは、英語力の問題ではありません。桁の区切り、小数点、年度、概数——この4か所に決まった読み方を持っていないだけです。
まずは、次の会議で使う数字を10個書き出し、英語の読み方を横に書いてみてください。この作業だけで、当日の詰まりはほとんどなくなります。
プロナビのビジネス英語コーチングでは、実際に臨む会議の資料から逆算して、数字の読み上げと想定問答をマンツーマンで整えています。録音した読み上げを一緒に聞き直すところから、始めてみませんか。
参考・出典
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