「上がり方が緩んだ」を英語で伝える技術|インフレ率の発表で学ぶ、鈍化・据え置き・目標超えのビジネス英語

値上がりが止まったのか、ペースが緩んだだけなのか。この違いを英語で言い分けられないと、本社への報告が誤って伝わります。インフレ率の発表を題材に、ease・slow・core・above target の使い分けと報告の型を学ぶ無料教材です。

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AIエンジニア / IT歴36年以上・海外在住13年以上のCEFR B1英語学習者

「上がり方が緩んだ」を英語で伝える技術|インフレ率の発表で学ぶ、鈍化・据え置き・目標超えのビジネス英語
日本語で言いたいことありがちな英語起きる誤解
上がり方が緩んだPrices went down.値下がりしたと受け取られます
まだ目標より高いIt's still high.どの基準と比べて高いのか伝わりません
一時的な要因を除くとExcept food.除いた理由が伝わりません
3か月連続で下がったIt went down 3 times.3回下がっただけと読まれます

海外の本社に現地の物価を報告するとき、いちばん誤解が生まれやすいのが「下がった」という一語です。

日本語では「インフレ率が下がった」と言えば、多くの人が「値上がりのペースが緩んだ」と理解します。ところが英語で Prices went down と言うと、価格そのものが下がったという意味になります。まったく違う報告になってしまいます。

この教材では、実際の発表を題材に、この違いを言い分ける型をまとめます。

要約

  • 「上がり方が緩んだ」を Prices went down. と言うと、値下がりしたと受け取られます。
  • 物価の話は、上がり方が緩んだのか、水準が下がったのか、まだ目標より高いのかを区別しないと誤解されます。
  • 7月のインフレ率が6.2%に下がった件を題材に、使い分けの型と、報告を1つの型にまとめる手順を示しました。

題材:7月のインフレ率が6.2%に

報じられている内容によると、フィリピン統計庁は2026年8月5日、7月の消費者物価上昇率を6.2%と発表しました。6月の6.4%から下がり、3か月連続の低下となっています。

主因は運輸で、上昇率が12.8%から11.9%へ緩みました。食料とエネルギーの一部を除いたコアインフレ率も、4.4%から4.2%へ下がっています。

いっぽう、1月から7月までの平均は5.0%で、政府の目標とされる2〜4%を上回った状態が続いています。

つまり、「下がった」「それでも高い」「一時的ではなさそう」という3つを同時に伝える必要がある状況です。これを英語でどう言うかを見ていきます。

関連: 英語で数字を読み上げる技術|億・兆・小数点・年度が伝わらない4つの原因 で詳しく解説しています。

よくある失敗

言い方何が問題か
Prices went down.値下がりしたことになります
Inflation stopped.インフレが終わったことになります
It's getting better.主観であり、報告として弱くなります
Inflation dropped a lot.6.4→6.2は a lot ではありません

1つ目がいちばん多い失敗です。 インフレ率が下がることと、物価が下がることは別です。英語では別の語を使いますので、混ぜると事実と違う報告になります。

4つ目も注意していただきたい点です。 0.2ポイントの変化に a lotsharply を使うと、聞き手は大きな変化を想定します。程度を表す語は、数字に合わせて選んでください。

関連: 海外提携交渉の英語は「売る交渉」と別物|日本企業がアライアンスで押さえる4つの論点 で詳しく解説しています。

使い分けの型

1. 「上がり方が緩んだ」を言う

主役になるのが ease と slow です。

  • Inflation eased to 6.2 percent in July.(7月のインフレ率は6.2%に鈍化しました)
  • Inflation slowed from 6.4 to 6.2 percent.(6.4%から6.2%へ鈍化しました)
  • Price increases are slowing, but prices are still rising.(値上がりのペースは緩んでいますが、物価は上がり続けています)

ease がいちばん使いやすい語です。 経済の報道でも標準的に使われ、「勢いが弱まる」という意味を正確に運びます。

3つ目の文は、覚えておく価値があります。日本語の「下がった」が誤解される場面で、そのまま補足として足せる形です。この一文があるだけで、報告の正確さが変わります。

2. 「それでも高い」を言う

比較の基準を必ず添えてください。

  • It is still above the target range of 2 to 4 percent.(目標の2〜4%を依然として上回っています)
  • The year-to-date average is 5 percent, well above target.(年初来の平均は5%で、目標を大きく上回っています)
  • It remains elevated.(高い水準が続いています)

3つ目の elevated は、報道でよく使われる語です。「高い」とだけ言うより、基準に対して高い状態が続いているという含みを持ちます。

stillremains は、どちらも「まだ〜のままだ」を表します。数字が改善しても状況が解決していない、という報告にはこの2語が要ります。

3. 「一時的な要因を除くと」を言う

core という語が鍵になります。

  • Core inflation, which excludes some food and energy items, fell to 4.2 percent.(食料とエネルギーの一部を除いたコアインフレ率は4.2%に下がりました)
  • Core also eased, which suggests the slowdown is not just temporary.(コアも鈍化しており、今回の減速が一時的なものだけではないことを示唆します)
  • Headline inflation includes food and energy; core does not.(総合インフレ率は食料とエネルギーを含みますが、コアは含みません)

headline と core は対で覚えてください。 headline が総合、core がコアです。この2語を使い分けられると、報告の解像度が一段上がります。

2つ目の which suggests も便利な形です。断定せずに含意を伝えられますので、確定していない話を報告するときに使えます。

4. 「3か月連続」を言う

日本語の「連続」は、英語では位置に注意が要ります。

  • It has eased for three straight months.(3か月連続で鈍化しています)
  • This is the third consecutive month of slowing inflation.(インフレ鈍化は3か月連続です)
  • Transport was the main driver of the slowdown.(鈍化の主因は運輸でした)

straightconsecutive はどちらも「連続の」を表します。前者は口語寄り、後者は書き言葉寄りです。どちらでも通じますので、話しやすいほうを固定してください。

3つ目の driver は「主因」を表す語で、経済の話題で頻出します。The main driver was... という形で覚えておくと、原因の説明が一文で済みます。

報告を1つの型にまとめる

4つの要素を、この順番で並べてください。

順番言うこと
1数字Inflation eased to 6.2 percent in July.
2主因Transport was the main driver.
3基調Core also eased, to 4.2 percent.
4但し書きIt remains above the 2 to 4 percent target.

この4文で状況が伝わります。読み上げてみると分かりますが、1文ずつが短いのが特徴です。

順番も大事です。最後に但し書きを置くことで、「良くなったが解決していない」という位置づけが正しく残ります。逆に但し書きを先に言うと、改善そのものが伝わりにくくなります。

練習の手順

手順やること目安
1. 4文の型を音読する上の表の4文をそのまま10回5分
2. 自社の数字に差し替える売上でも費用でも構いません15分
3. 録音して聞き返す詰まる箇所を特定します5分
4. 想定質問を2つ用意する「いつ目標に戻るのか」「事業への影響は」10分

手順2がいちばん大事です。 インフレの話でなくて構いません。「原価の上昇率が緩んだが、まだ想定より高い」という報告も、まったく同じ4文の型で言えます。

  • Our material costs rose 4 percent this quarter, down from 6 percent.
  • The main driver was the change in supplier.
  • Excluding the one-off shipping charge, the increase was 3 percent.
  • It is still above the 2 percent we budgeted.

この形に置き換えられると、型が自分のものになります。

手順3の録音も省略しないでください。 ease、elevated、consecutive のあたりで詰まる方が多く、そこが実際の会議でも止まる箇所です。

なお、AIの翻訳ツールで下書きを作るのは有効ですが、こうした報告では相手の反応を見ながら言い換える力が要ります。語の選択の理由まで含めて身につけるには、専任の講師によるマンツーマンの指導が確実です。

FAQ

Q: ease と slow は、どちらを使えばよいですか?

A: どちらでも通じます。ease は「勢いが弱まる」、slow は「速度が落ちる」に近い語感です。インフレ率の話ではどちらも標準的に使われますので、言いやすいほうを固定してください。両方を1つの報告の中で混ぜても問題ありません。

Q: decline や fall との違いは何ですか?

A: decline と fall は「下がる」という一般的な語で、何が下がったのかを明示しないと誤解を招きます。Inflation fell は「インフレ率が下がった」で正しいのですが、Prices fell は「物価が下がった」になります。主語を間違えないことが要点です。

Q: percentage point との使い分けは?

A: 6.4%から6.2%への変化は、0.2 percentage points の低下です。It fell by 0.2 percent と言うと、6.4の0.2%分という意味になり、桁が違います。差を言うときは percentage point を使ってください。

Q: 「まだ目標に戻っていない」を短く言えますか?

A: Still above target. で足ります。会議の場では、この3語だけで通じます。書面ではもう少し丁寧に It remains above the target range としてください。

Q: 発音で気をつける語はありますか?

A: elevated と consecutive です。どちらも音節が多く、強く読む位置を外すと聞き取られにくくなります。この2語と、自社名・拠点名だけでも整えておくと、報告の進み方が変わります。

「下がった」を正確に言えると、報告が誤解されない

インフレ率の報告で必要なのは、難しい語彙ではありません。値上がりのペースが緩んだこと(ease / slow)、それでも基準より高いこと(still above target / elevated)、一時的でないこと(core)、そして継続していること(consecutive)——この4つを言い分ける型です。

まずは、いま手元にある自社の数字を1つ選び、4文の型に置き換えてみてください。書けない箇所があれば、それは英語ではなく、数字の理解が固まっていない箇所です。

プロナビのビジネス英語コーチングでは、実際に報告する相手と場面から逆算して、こうした型と想定問答をマンツーマンで組み立てています。録音した報告を一緒に聞き直すところから、始めてみませんか。

参考・出典

この記事を書いた人

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サイト運営・日本語サポート担当 / AIエンジニア

  • 東京都出身・海外在住13年以上
  • IT歴36年以上(開発・SEO・AI)
  • IBM認定 生成AIエンジニア
  • CEFR B1の英語学習者(今も学習中)

外資系の現場で「英語が話せず評価が伸びない」苦しさを経験し、海外移住後も印刷所で「copy」が通じないような発音の壁に何度もぶつかってきました。今もプロ講師の指導を受けながら学習を続ける一人として、AI時代でも英語で悩む日本人ビジネスパーソンに向けて、現場目線で記事を書いています。日本語でのご相談やお問い合わせも私が担当します。

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