「いつから適用されるか」を英語で言う技術|EUのAI表示義務から学ぶ、期限とコンプライアンスのビジネス英語
規則の適用開始日や対象範囲を英語で正確に説明できますか。EUのAI表示義務が8月2日から適用されるニュースを題材に、take effect・be subject to・comply with・grace period・face fines of up to を学ぶ無料教材です。読解・語彙・発音・意見表明・外資系面接対策まで練習できます。

新しい規則がいつから効力を持つのか、自社が対象になるのか、間に合わなければどうなるのか——こうした話を日本語では自然に説明できるのに、英語になると「start」と「rule」しか出てこない、という方は少なくありません。
EUのAI法の透明性に関する規定が2026年8月2日から適用されることを題材に、期限と適用範囲を正確に伝える英語を練習します。読解から語彙、意見の述べ方、外資系の面接対策まで、Part 1〜4の順に進めてください。
Part 1: 読む → 要約する
Step 1: Pre-Reading — 期限の英語を思い出す (3 min)
読む前に、次の3つを英語でどう言うか、頭の中で試してみてください。
- 「この規則は8月2日から適用されます」
- 「当社はこの規則の対象になりますか」
- 「12月まで猶予期間があります」
「apply」「start」以外の言い方がすぐ出てこなければ、この教材の効果が出やすい状態です。
Step 2: First Reading — 全体を把握する (10 min)
以下は、公開されている情報をもとに、学習用に書き起こした英文です。
New transparency rules under the EU AI Act take effect on 2 August 2026. They cover four situations: when people interact directly with an AI system, when content is generated by AI, when emotion recognition or biometric categorisation is used, and when deep fakes or AI-generated text on matters of public interest are involved.
Providers of generative AI systems that produce text, images, audio or video are required to mark their outputs in a machine-readable format, so that the content can be detected as artificially generated or manipulated.
Systems that were already placed on the market before 2 August 2026 have been given until 2 December 2026 to meet that machine-readable marking requirement. Companies that fail to comply with the rules may face fines of up to EUR 15 million or 3% of worldwide annual turnover.
Whether a company outside the EU falls within the scope of these rules depends on how its systems and outputs are used in the EU market.
注記: 上記の英文は、公開情報をもとに学習目的で書き起こしたものです。適用範囲や期限の解釈は変わり得ますので、実際の判断は一次情報と専門家の確認によってください。
Step 3: Comprehension Check — 内容確認 (5 min)
- What are the four situations covered by the new transparency rules?
- What exactly must providers of generative AI systems do to their outputs?
- Which systems have until December, and why?
Step 4: 30-Second Briefing — 上司に30秒で説明する (10 min)
このニュースを英語で30秒にまとめる練習をしましょう。次の順番が伝わりやすい形です。
- What changes and when:New EU transparency rules take effect on 2 August.
- Who is affected:They apply to providers and deployers of certain AI systems.
- What we need to check:We need to check whether our outputs fall within the scope.
声に出して、30秒で言い切れるまで繰り返してください。原稿を読み上げるのではなく、3つの順番だけを覚えて話すのがコツです。
関連: 外資系で評価される英語・されない英語の違い|会議で伝わるビジネス英語コーチング で詳しく解説しています。
Part 2: 語彙・表現・発音
1. take effect / come into effect (v.) — 効力を持つ、適用が始まる
「start」より正確で、規則や契約について使う標準的な言い方です。The rules take effect on 2 August. のように、日付は on を使います。似た表現の enter into force は条約や法律そのものについて使われ、より硬い響きになります。
発音では、take の /eɪ/ をしっかり二重母音で出してください。日本語の「テ」に近い短い音になると、tech と紛らわしく聞こえることがあります。
関連: 日本人が英語で損をしやすい発音ワースト5と直し方|ビジネス英語の発音矯正 で詳しく解説しています。
2. be subject to / fall within the scope of (v.) — 〜の対象になる
会議でいちばん聞かれるのが「うちは対象か」です。Are we subject to these rules? が最も自然で短い聞き方になります。fall within the scope of はより形式的で、書き言葉や正式な確認の場面に向いています。
subject はここでは形容詞的に使われており、「主題」の名詞とは意味が違います。品詞が変わると強勢の位置も変わり、名詞の subject は前、動詞の subject は後ろに強勢が来ますので、意味と合わせて覚えてください。
3. comply with / compliance (v./n.) — 順守する、順守
comply with the rules のように、必ず with を伴います。ここを落として comply the rules としてしまう間違いは、日本人の英語で非常によく見かけます。名詞の compliance も compliance with の形を取ります。
強勢は com-PLY と後ろに来ます。前に置くと聞き取ってもらいにくくなりますので、意識して練習してください。
4. grace period / transition period (n.) — 猶予期間、経過期間
Existing systems have a grace period until December. のように使います。grace period は「支払いや対応が遅れても許される期間」という日常の場面でも使われ、クレジットカードや保険の話でも登場します。
対して transition period は「新旧の切り替え期間」を指し、制度の説明ではこちらのほうがよく使われます。使い分けができると、説明の精度が上がります。
5. face fines of up to (v.) — 最大〜の制裁金を科されうる
Companies may face fines of up to EUR 15 million. が定型です。ここでの face は「直面する」で、罰の主体ではなく受ける側が主語になります。of up to は「最大で」で、この3語をひとかたまりで覚えてください。
なお、上限を示すときに up to を落とすと「必ず1,500万ユーロ」という意味になってしまいます。金額の話で誤解を生みやすい部分ですので、注意が必要です。
Part 3: 自分の意見を述べる
Discussion Topic A
Should companies outside the EU voluntarily follow these transparency rules, even if they are not legally required to?
賛成・反対のどちらでも構いません。理由を2つ挙げ、最後に That said, ... で反対側の見方にも触れてみてください。一方的に断定しない話し方は、外資系の会議で信頼を得やすくなります。
Discussion Topic B
If your company uses AI to write product descriptions, how would you explain the labelling policy to your customers?
社内向けではなく顧客向けの説明として組み立てます。専門用語を避け、This means that... で言い換える練習をしてください。
Discussion Topic C
What is the biggest practical difficulty in marking AI-generated content in your industry?
自分の業界に引きつけて話します。抽象論にせず、具体的な作業の場面を1つ挙げると、説得力が出ます。
Part 4: 面接対策 — 外資系で差をつける
Mock Interview Scenario A
Tell me about a time you had to prepare for a regulatory change.
規制対応の経験は、外資系の面接でよく聞かれます。「何が変わったか → 自分が何をしたか → 結果どうなったか」の順で、90秒を目安に組み立ててください。制度の説明に時間を使いすぎて、自分の行動の話が短くなるのがよくある失敗です。
Mock Interview Scenario B
How would you decide whether a new rule applies to our business?
判断の手順を聞かれています。First, I would check... Then, I would confirm... If it's still unclear, I would consult... の3段構えで答えると、考え方の筋道が伝わります。
Mock Interview Scenario C
Our team missed a compliance deadline last year. How would you prevent that from happening again?
失敗の再発防止を問う質問です。人ではなく仕組みの話に落とすのが定石で、I'd build a check into the existing approval flow のように、既存の流れに組み込む答え方が好まれます。
活用のコツ(3 Tips)
- 日付の前置詞をセットで覚える:take effect on 2 August、until December、from 2 August。前置詞を間違えると、期限の理解そのものが疑われます。
- 音読は数字を含む文から:fines of up to EUR 15 million のように、数字と単位が入る文がいちばん詰まります。ここを重点的に繰り返してください。
- 1つの語に3つの用例を持つ:comply with を、規則・契約・社内ルールの3場面で言えるようにしておくと、本番で出てきます。
Bonus: プロナビレッスンでの活用法
英語では「B」と「V」の区別が大事です。日本語の「バ」と英語の「B」はどちらも両方の唇を閉じてはじく音ですが、「V」は下唇を上の前歯に軽く当てて出す音で、動きがまったく違います。日本人の「B」は、母音の長さが足りなかったり子音がはっきりしなかったりすると、「V」とまぎらわしく届きます。
窓口であれば10分の損で済みますが、期限や金額を伝える場面で同じことが起きると、話がその場で止まります。この教材の語彙は、どれも「聞き返されると困る」場面で使うものです。
プロナビのレッスンでは、この教材をそのまま持ち込んでいただけます。Part 2の音読を聞かせていただき、どの音が原因で伝わりにくいのかを診断したうえで、Part 4の模擬面接まで通して練習します。自分では気づけないずれを、その場で指摘してもらう形が、いちばん早く身につきます。
参考・出典
- Article 50: Transparency Obligations for Providers and Deployers of Certain AI Systems — EU Artificial Intelligence Act
- Transparency obligations under Article 50 of the AI Act — European Commission, Shaping Europe's digital future
- EU AI Act Transparency Obligations: Preparing for Compliance by 2 August 2026 — Sidley Data Matters(2026年6月24日)
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