外資系で初めて英語会議に出た日──何も言えなかった原因は英語力ではありません

初めての英語会議で発言できない原因は、議題を知らないまま聞いていること、担当を英語で言えないこと、発言の型がないこと、聞き返し方を決めていないことです。割り込む・確認する・保留するの3つの型と、45分でできる4つの準備を整理します。

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AIエンジニア / IT歴36年以上・海外在住13年以上のCEFR B1英語学習者

外資系で初めて英語会議に出た日──何も言えなかった原因は英語力ではありません

外資系企業に転職して最初の英語会議に出たものの、ほとんど何も言えなかったという話を、相談の場でよく聞きます。

初めての英語会議で起きることは、だいたい同じです

起きること本人の解釈実際の原因
会話の速度についていけない自分のリスニング力が足りない議題と背景を知らないまま聞いている
発言のタイミングが分からない英語が出てこない会議の進行の型を知らない
質問されて固まる英語力の問題答えを英語で準備していなかった
終わった後で何も残らない会議についていけなかった議事の取り方を決めていなかった

最初の英語会議で何も言えなかったという話を相談の場で聞くたびに、原因は英語力そのものではないことが多いと感じます。

英語力が十分でないのは事実かもしれません。ただ、同じ英語力の人が、2回目、3回目の会議では発言できるようになります。変わったのは英語力ではなく、準備の仕方です。

TOEICで800点を超えていても、最初の英語会議で黙ってしまう方がいます。逆に600点台でも、必要なことを言い切って帰ってくる方がいます。この差がどこから来るのかを、この記事で整理します。私はフィリピンで日本人向けの英語学習サービスを運営しており、外資系やグローバル部門で働く方の相談を受けてきました。

最初の会議で失敗する4つの理由

理由何が起きるか
1. 議題を事前に読んでいない何の話をしているか分からず、聞き取りに全神経を使う
2. 自分の担当範囲を英語で言えない名乗った後の一文が出ない
3. 発言の型を持っていない言いたいことはあるが、切り出し方が分からない
4. 聞き取れなかったときの対応を決めていない分からないまま流し、後で困る

1つ目が最も大きい部分です。会議の内容を知らないまま英語を聞くのは、日本語でも難しい作業です。前提を知らずに聞くと、単語を1つずつ処理することになり、処理が追いつきません。

議題が事前に共有されていない会社もあります。その場合でも、参加者の名前と所属、前回の決定事項は確認できます。この2つを知っているだけで、聞き取りの負荷はかなり下がります。

2つ目は、自己紹介の後に来る沈黙です。名前と部署は言えるのに、「自分が何を担当しているか」を英語で言おうとすると止まります。ここは準備できる部分です。

3つ目が、いちばん解決しやすい部分です。発言したい内容があるのに、どう切り出せばよいか分からず、タイミングを逃します。これは英語力ではなく、型の問題です。

4つ目は、後から効いてきます。聞き取れなかった箇所をその場で確認しないと、会議の後で自分の担当分が分からなくなります。

発言できる人が持っている3つの型

使う場面英語の例
割り込む型発言のタイミングを作るCan I add one thing here?
確認する型聞き取れなかったときに戻るSorry, could you repeat the part about the deadline?
保留する型その場で答えられないときLet me check that and come back to you by tomorrow.

この3つを持っているかどうかで、会議の体験が変わります。

1つ目の割り込む型は、日本語の会議とは前提が違う部分です。多くの英語会議では、発言したい人が自分でタイミングを作ります。「誰かが振ってくれる」のを待っていると、最後まで振られません。

Can I add one thing here? は短く、割り込みとして角が立ちません。この1文を口に出せるようになるだけで、参加の度合いが変わります。

2つ目の確認する型は、恥ずかしいものではありません。むしろ、確認せずに進めるほうが後で問題になります。重要なのは、何が聞き取れなかったかを具体的に言うことです。「Sorry?」だけだと、相手は全文を繰り返します。「the part about the deadline」と指定すれば、必要な部分だけが返ってきます。

3つ目の保留する型は、日本人が最も使うべき表現です。その場で答えられない質問に対して、沈黙するか、曖昧に答えるかの二択になりがちですが、三つ目の選択肢があります。「確認して、明日までに戻します」と言えば、その場は終わります。期限を添えるのが重要な点です。

関連: 英語会議で主導権を握る3つの技術|外資系で発言が通るビジネス英語コーチング で詳しく解説しています。

会議の前にやる4つの準備

準備所要時間効果
議題と参加者を確認する10分聞き取りの負荷が下がる
自分の担当を1文で英語にする15分自己紹介の後で止まらない
想定される質問を3つ書く15分質問に固まらない
3つの型を声に出しておく5分会議中に口が動く

合計で45分です。最初の3回だけこの準備をすれば、4回目からは短縮できます。

1つ目は、会議の30分前でも構いません。議題が共有されていれば読み、なければ前回の議事録か、参加者の名前と所属を確認します。

2つ目は、一度作れば使い回せます。「I'm in charge of the monthly reporting for the Asia region」といった形で、1文にしてください。長い説明は要りません。

3つ目が、いちばん効きます。自分が聞かれそうな質問を3つ書き出し、それぞれに英語で1文の答えを用意します。実際に聞かれるのはそのうち1つか2つですが、準備した3つのうち1つでも当たれば、その場で答えられます。

4つ目は、声に出すことが重要です。頭の中で覚えていても、会議の場では出てきません。会議の直前に、3つの型を小声でも構わないので口に出しておいてください。

関連: なぜ日本の英語教育では外資で通用しないのか──評価軸が「正しさ」から「動かすこと」へ変わる で詳しく解説しています。

FAQ

Q: 英語力が足りないうちに会議に出るのは迷惑ではないですか

迷惑にはなりません。むしろ、出ないほうが問題になります。会議に出ていない人は、決定の経緯を知らないまま作業することになり、後で認識のずれが発生します。発言できなくても、聞いて記録するだけで役割は果たせます。そのうえで、3回目までに1回は発言する、といった目標を自分で設定してください。

関連: 「決まったのに止まっている」を英語で説明する技術|賃上げ差止のニュースで学ぶ、保留・発効・係争中のビジネス英語 で詳しく解説しています。

Q: 聞き返すと、能力を疑われませんか

疑われません。むしろ、確認せずに間違った理解のまま進めるほうが、信頼を損ないます。ポイントは、何が分からなかったかを具体的に言うことです。「the part about the deadline」のように箇所を指定すれば、確認は業務上の当然のやり取りになります。曖昧に「Sorry?」を繰り返すと、聞いていない印象になるので避けてください。

Q: 会議の内容をメモする余裕がありません

日本語でメモしてください。英語で書こうとすると、聞くことと書くことの両方に負荷がかかります。取るべきは、決定事項と自分の担当分だけです。議論の流れは書かなくて構いません。会議の直後に5分だけ時間を取り、そのメモを見ながら英語で1行の要約を作ると、次の会議への準備にもなります。

Q: 録音してもよいですか

会社の方針によります。多くの外資系企業では、参加者への確認があれば認められますが、方針が明示されていない場合は上司に確認してください。認められる場合、聞き直しは非常に有効です。ただし全部を聞き直すと時間がかかるので、聞き取れなかった箇所の前後だけに絞ってください。

Q: どれくらいで慣れますか

準備をしている場合、3回目から5回目で発言のタイミングがつかめるようになる方が多い印象です。準備をしない場合、回数を重ねても変わりません。慣れをもたらすのは参加回数ではなく、毎回の準備です。逆に言えば、準備を続ければ、英語力が大きく変わらなくても会議での役割は果たせるようになります。

まとめ:次の会議の45分前に、4つだけやってください

最初の英語会議で何も言えなかったという話を聞くとき、原因は英語力そのものではないことが多くあります。議題を知らないまま聞いていること、自分の担当を英語で言えないこと、発言の型を持っていないこと、そして聞き取れなかったときの対応を決めていないことです。

持っておくべき型は3つです。割り込む型(Can I add one thing here?)、確認する型(Sorry, could you repeat the part about ...?)、そして保留する型(Let me check that and come back to you by tomorrow.)です。

準備は45分で足ります。議題と参加者の確認に10分、自分の担当を1文の英語にするのに15分、想定質問を3つ書くのに15分、そして3つの型を声に出すのに5分です。

次の一歩として、直近の英語会議の予定を確認し、その45分前に予定を1つ入れてください。準備の時間を先に確保しておかないと、当日は他の作業に埋まります。

参考・出典

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サイト運営・日本語サポート担当 / AIエンジニア

  • 東京都出身・海外在住13年以上
  • IT歴36年以上(開発・SEO・AI)
  • IBM認定 生成AIエンジニア
  • CEFR B1の英語学習者(今も学習中)

外資系の現場で「英語が話せず評価が伸びない」苦しさを経験し、海外移住後も印刷所で「copy」が通じないような発音の壁に何度もぶつかってきました。今もプロ講師の指導を受けながら学習を続ける一人として、AI時代でも英語で悩む日本人ビジネスパーソンに向けて、現場目線で記事を書いています。日本語でのご相談やお問い合わせも私が担当します。

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