日本語と英語の「音」はこんなに違う|母音・子音・リズムの比較で発音矯正の第一歩
日本語と英語の音声的な違いを母音・子音・リズムの3つの視点から比較。日本人にとって英語発音が難しい根本原因を理解し、発音矯正につなげる方法を解説します。

英語を何年も勉強しているのに、発音がなかなか通じない。そんな経験はないでしょうか。この問題の根っこには、日本語と英語の「音の仕組み」そのものが大きく異なるという事実があります。
この記事では、母音・子音・リズムという3つの視点から、日本語と英語の音がどのように違うのかを整理します。違いの全体像を知ることで、発音が通じにくい理由と練習すべきポイントが見えてきます。
要約
- 日本語と英語は母音数(5つ vs 15-20種類)、子音の種類、リズムの仕組みが根本的に異なり、これが発音の難しさの原因
- 日本人は母音の区別不足、日本語にない子音の代用、平坦なリズムという3つの落とし穴にはまりやすい
- 母音は口の形と舌の位置、子音は接触ポイント、リズムは強弱のコントラストを意識した練習が効果的
日本語と英語では「音の数」も「仕組み」もまったく違う
| 要素 | 日本語 | 英語 |
|---|---|---|
| 母音 | 5つ(あいうえお) | 15-20種類 |
| 子音 | 英語より少ない | 約24種類 |
| リズム | モーラ(等間隔の拍) | 強弱が繰り返される音節 |
英語の発音が難しいと感じる最大の原因は、日本語と英語で使う音の種類と数が根本的に異なることです。
日本語は母音5つ、英語は15〜20種類。音の数の差が発音の難しさの根本原因
日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5つです。それぞれの音がはっきり区別されており、口の開き方や舌の位置も比較的シンプルです。
一方、英語の母音は分析方法によって数え方が異なりますが、一般的に15〜20種類程度あります。日本語の「あ」に近い音だけでも、口を大きく縦に開く音、やや横に引く音、あごを軽く下げるだけの短い音など複数の種類があります。日本語にはない音を、口の開き方・舌の高さ・唇の丸め具合といった細かい調整で作り分ける必要があるのです。
子音についても同様です。分析方法によって数え方は異なりますが、日本語の子音は英語より少なく、英語には約24種類の子音があります。特に日本語に存在しない音が複数含まれており、これが発音の壁を作っています。
さらに大きな違いがリズムの仕組みです。日本語は「モーラ(拍)」と呼ばれる等間隔のリズム単位で話されます。たとえば「さくら」は「さ・く・ら」と3拍で、それぞれの拍がほぼ同じ長さです。
英語は「音節(syllable)」を単位としますが、すべての音節が同じ長さで読まれるわけではありません。強く長く読む音節と、弱く短く読む音節が交互に現れる、強弱が繰り返されるリズムを持っています。この「強弱のリズム」が日本語にはない感覚であるため、英語の自然な抑揚を身につけるのに苦労する人が多いのです。
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日本人が特につまずきやすい発音の落とし穴
| 問題 | 具体例 | 影響 |
|---|---|---|
| 母音の区別不足 | hat/hut, sit/seatの区別 | 別の単語として聞こえる |
| 子音の代用 | fを「フ」、thを「サ・ザ」で代用 | 英語話者に別の音に聞こえる |
| 語末への母音付加 | stopが「ス・ト・ッ・プ」になる | 4拍の単語に聞こえる |
| 平坦なリズム | 全ての音節を同じ長さ・強さで発話 | 非常に聞き取りにくい |
日本語と英語の音の違いを知らないまま英語を話すと、無意識に日本語の音で代用してしまいます。ここでは、特に多い間違いのパターンを見ていきます。
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母音の区別ができていない
英語には、口の形や舌の位置がわずかに違うだけで意味が変わる母音のペアが数多くあります。たとえば「hat」と「hut」、「sit」と「seat」などです。日本語の母音5つだけで対応しようとすると、これらの区別がつかず、相手に別の単語として聞こえてしまうことがあります。
日本語にない子音を日本語の近い音で代用する
代表的な例が、上の前歯と下唇を使って出す摩擦音(fの音)です。日本語話者はこれを両唇を使った「フ」で代用しがちです。日本語の「フ」は上の歯を使わず、両方の唇を軽く近づけて息を出す音なので、英語話者には別の音に聞こえます。
また、舌先を上下の歯の間に挟んで出す摩擦音(thの音)も日本語に存在しません。これを「サ行」や「ザ行」の音で代用すると、やはり通じにくくなります。
子音だけで終われない
日本語はほとんどの音が母音で終わる構造を持っています。そのため、英語の子音で終わる単語(たとえば「stop」「book」「red」など)の末尾に無意識に母音を付け足してしまうことがあります。「stop」が「ス・ト・ッ・プ」のように4拍の単語に聞こえてしまい、英語本来の1音節の発音とは大きく異なります。
リズムが平坦になる
私自身、マニラで生活する中で日常的に英語を使う機会が多くあります。移住した当初、文法や語彙はそれなりに身についているはずなのに、なぜか聞き返されることが頻繁にありました。たとえばレストランで「copy」や「afternoon」といった基本的な単語すら通じず、何度も言い直した経験があります。原因を探っていくと、一つ一つの音よりもリズムと強弱のパターンが日本語的だったことが大きかったのです。日本語のモーラ(拍)のリズムで英語を話すと、すべての音節が同じ長さ・同じ強さになり、英語話者にとっては非常に聞き取りにくい発話になります。
母音・子音・リズム、それぞれの「正しい出し方」のポイント
| 要素 | ポイント | 具体的な方法 |
|---|---|---|
| 母音 | 口の開き具合と舌の位置調整 | 鏡で口の形を確認、英語の母音ごとに練習 |
| 子音 | 舌・歯・唇の接触ポイントを正確に | f音は上前歯と下唇、th音は舌先を歯の間に |
| リズム | 強弱のコントラスト | 重要語は強く長く、機能語は弱く短く読む |
ここからは、日本語と英語の違いを踏まえたうえで、発音を改善するための具体的なポイントを解説します。
母音は口の形、子音は舌と歯の位置、リズムは強弱の波がポイント
母音:口の形と舌の位置を意識する
英語の母音を正確に出すには、口の開き具合と舌の位置(前後・高低)を細かく調整する必要があります。
たとえば「hat」の母音は、口を横に引きながらあごを下げ、舌の前の部分を低い位置に置きます。一方「hut」の母音は、口をあまり開かず、舌をリラックスさせて中央付近に浮かせるような感覚です。
重要なのは、日本語の「ア」を出すときの口の形のまま英語を話さないことです。英語の母音ごとに、鏡を見ながら口の形を確認する習慣をつけると、違いが実感できます。
子音:舌・歯・唇の接触ポイントを正確に
英語の子音は、音を出すときに舌や唇がどこに触れるか(あるいは近づくか)が非常に重要です。
たとえばfの音は、上の前歯を下唇に軽く当て、その隙間から息を押し出します。日本語の「フ」のように両唇を使うのではなく、歯と唇の組み合わせで作る音です。
thの音は、舌先を上下の前歯の間または前歯の先端付近に軽く当てて、その隙間から息を流します。「サ」のように舌先が歯の裏の上の方に行くのとは位置が異なります。
また、英語には語末の子音で口を閉じたまま終わるパターンが多くあります。たとえば「cup」であれば、最後に唇を閉じるだけで、そのあとに母音を付け足しません。この「子音で止める」感覚を身につけることが大切です。
リズム:「強弱の波」を体で覚える
英語のリズムで最も重要なのは、内容を伝える重要な単語(名詞・動詞・形容詞・副詞など)を強く長く読むことです。一方、文法的な機能を果たす語(冠詞・前置詞・代名詞など)は弱く短く読みます。
たとえば "I want to go to the store." という文では、「want」「go」「store」が強く読まれ、「I」「to」「the」は弱く短く流れます。この強弱のコントラストが英語らしいリズムを作ります。
日本語のモーラ(拍)のリズムでは、すべてを均等に読む傾向がありますが、英語では意識的に「弱い部分を弱くする」ことが大切です。強い部分を強調するのと同じくらい、弱い部分を思い切って短く軽く読むことが自然なリズムにつながります。
今日から始められる発音トレーニング法
| 練習法 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 鏡でのチェック | 母音の口の形を確認 | 正しい口の開き方を体得 |
| 子音の位置確認 | 音を出さず触れるポイントを確認 | 正しい舌や唇の位置を習得 |
| 手拍子リズム練習 | 強い部分で手を叩く | 強弱の差を体で感じる |
| 録音・聞き比べ | 自分の発音を録音してネイティブと比較 | 客観的な問題把握 |
日本語と英語の音の違いを理解したところで、実際に練習する方法を紹介します。
鏡・録音・手拍子など身近なツールで今日から発音トレーニングを始めよう
1. 母音の口の形を鏡でチェックする
英語の母音を練習するときは、鏡の前で口の開き方・唇の形を確認しましょう。同じ「ア」に聞こえる音でも、口の開き方や舌の位置が違えば別の母音です。最初は大げさなくらい口を動かすことを意識してください。
2. 子音の「触れるポイント」を確認する
fやthなど日本語にない子音は、まず音を出さずに「口の中のどこに舌や唇が触れるか」を確認するところから始めます。正しい位置を体で覚えてから、ゆっくり息を流して音を出す練習に進みます。
3. リズム練習は「手拍子」から
短い英文を用意し、強く読む部分で手を叩きながら読む練習が効果的です。弱い部分は手を叩かず、さっと流します。最初はゆっくりで構いません。強弱の差を体で感じることが目的です。
4. 自分の発音を録音して聞き比べる
スマートフォンの録音機能を使って、自分の発音を録音してみましょう。ネイティブスピーカーの音声と聞き比べると、母音の違いやリズムのずれに気づきやすくなります。ただし、自分だけでは問題の特定や修正方法の判断が難しい場合も多いです。体系的な診断と修正には、専門のインストラクターによるコーチングが最も効率的な方法です。
5. 音声入力を活用して通じるかテストする
スマートフォンの音声入力機能の言語設定を英語に切り替えて、英単語や短い文を話してみるのも手軽な練習法です。意図した通りに認識されなければ、発音に改善の余地がある目安になります。ただし、音声入力は機械的な判定のため、なぜ通じないのかまでは教えてくれません。根本的な発音改善を目指すなら、プロナビのような発音矯正に特化したプロのコーチングを活用するのがおすすめです。
FAQ
Q: 英語の母音が日本語より多いのはわかりましたが、全部覚えないと通じませんか?
すべてを一度に完璧にする必要はありません。まずは意味の区別に関わる母音のペア(たとえば口の開き方が違うだけで別の単語になるもの)から優先的に練習すると効率的です。日常会話で頻出する単語に含まれる母音から取り組むとよいでしょう。
Q: 日本語にない子音(fやthなど)はどのくらい練習すれば出せるようになりますか?
個人差はありますが、舌や唇の正しい位置を理解したうえで練習すれば、多くの方が数週間で感覚をつかめます。ただし、無意識でも正しい音が出せるようになるには、継続的な練習が必要です。自己流の練習で誤った癖がつくのを防ぐためにも、専門のインストラクターに定期的にチェックしてもらうことをおすすめします。
Q: リズムが平坦だと言われます。具体的にどう直せばいいですか?
まず「弱く読む部分を意識的に短く軽くする」ことから始めてみてください。多くの人は強い部分を強調しようとしますが、実は弱い部分をしっかり弱くする方がリズムの改善には効果的です。手拍子を使った練習や、英語の音声を聞きながら同時に声を出す練習(シャドーイング)も有効です。
Q: 日本語のモーラ(拍)と英語の音節(syllable)の違いがよくわかりません。
日本語のモーラ(拍)は、基本的に1文字が1拍です。「きょう」なら「きょ・う」で2拍です。「きょ」は2文字ですが、小さい「ょ」は前の文字と合わせて1拍と数えます。「ん」も1拍です。一方、英語の音節は母音を中心としたまとまりで、1つの音節の中に複数の子音が含まれることもあります。たとえば「strength」は子音が多いですが1音節です。この構造の違いが、リズムの感覚の違いにもつながっています。
Q: 発音矯正は独学でも可能ですか?
基本的な知識の習得や、録音による自己チェックなどは独学でも取り組めます。ただし、自分では気づけない癖や、微妙な音の違いの修正は、第三者の耳と専門知識が不可欠です。独学で基礎を学びつつ、プロナビのような発音矯正専門のコーチングを並行して活用するのが、最も着実な上達への道です。
まとめ:音の違いを「知る」ことが発音矯正の出発点
日本語と英語の音の違いは、母音の数、子音の種類、リズムの仕組みという3つの層にわたっています。この違いを知らないまま練習しても、なかなか成果が出ません。逆に、違いの全体像を理解してから練習に取り組むことで、何を意識すればよいかが明確になり、上達のスピードが変わってきます。
まずはこの記事で紹介した母音・子音・リズムの違いを意識しながら、できることから練習を始めてみてください。そして、自分の発音の課題を正確に把握し、効率的に矯正したい方は、プロナビの発音矯正コーチングをぜひご検討ください。専門のインストラクターが、あなたの発音の癖を診断し、最適な改善プランを提案します。
