日本人が苦手な英語発音トップ10|発音矯正のプロが教える理由と改善法
日本人が特に苦手な英語発音10個を厳選。R/L、TH、F/Vなど苦手音の原因と、口の動きベースの具体的な発音矯正法を解説します。

要約
- 日本人が英語発音で苦労する理由は、日本語の音(20-25種類)に対し英語には40以上の音があり、さらに日本語の等間隔リズムと英語の強弱リズムの違いがあるため
- R/L、TH、F/V、母音の区別など10の苦手音は、それぞれ口・舌・歯の物理的な位置を正しく理解することで改善可能
- 鏡での口の形確認、ミニマルペア練習、シャドーイングなど自主練習と併せて、プロの指導による体系的な発音矯正が最も効果的
日本人が特につまずく英語の発音10選──なぜ「通じない」が起きるのか
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 音の種類の違い | 日本語20-25音に対し、英語は40音以上 |
| リズムの違い | 日本語:等間隔のモーラ、英語:強弱のある音節 |
| 結果 | 日本語にない音とリズムで「通じない英語」が生まれる |
英語を話しているのに、相手に聞き返される。自分では正しく言っているつもりなのに、まったく違う単語に聞こえてしまう。こうした経験は、英語学習者なら誰もが通る道です。
英語を話しているのに通じない──その原因は日本語にない音とリズムの違いにある
日本語と英語では、使う音の数が大きく異なります。日本語の音の種類がおよそ20〜25程度であるのに対し、英語には40を超える音があります。つまり、日本語には存在しない音を新たに身につける必要があるわけです。
さらに、日本語はモーラ(拍)という等間隔のリズムで成り立っています。「た・ま・ご」なら3モーラで、それぞれの拍がほぼ同じ長さです。一方、英語は音節(syllable)の中に強弱のリズムがあり、強い音節は長く、弱い音節は短く発音されます。この根本的なリズムの違いが、個々の音の問題と重なって「通じない英語」を生んでいます。
この記事では、日本人が特に苦手とする英語の音を10個取り上げ、それぞれの原因と改善のためのアプローチを、口の動きや身体の感覚に基づいて解説します。
日本人がやりがちな発音ミス──苦手音ワースト10とその原因
| 苦手音 | 主な問題 | 原因 |
|---|---|---|
| R/L、TH、F/V | 音の混同・代用 | 日本語にない口の動き |
| 母音区別、語末子音 | 不自然な発音 | 日本語の音で代用 |
| リズム・ストレス | 意味が伝わらない | モーラベースの等間隔発音 |
苦手な音には共通するパターンがあります。それは「日本語にない口の動きが必要」「日本語の似た音で代用してしまう」という2点です。以下に、特に問題になりやすい10の音を挙げます。
1. RとLの混同
日本人にとって最も有名な苦手音です。日本語のラ行は、舌先を上の歯ぐきの裏に軽く弾く動きで出します。これは英語のRともLとも異なる、第三の音です。そのため、riceとlice、rightとlightなどが同じ音に聞こえてしまい、区別がつきません。
2. THの音(2種類)
英語のTHには、thinkのような息だけの音と、thisのように声を伴う音の2種類があります。日本語にはどちらも存在しないため、多くの学習者が「サ行」や「ザ行」で代用してしまいます。thinkが「シンク」、thisが「ディス」のように聞こえると、意味が変わってしまうことがあります。
関連: 日本人のための英語発音矯正完全ガイド|カタカナ英語を卒業する全ステップ で詳しく解説しています。
3. FとVの音
日本語の「フ」は、上下の唇をすぼめて息を出す音です。しかし英語のFは上の前歯で下唇の内側に触れて出す音で、まったく異なります。Vはその有声版です。coffeeやveryといった頻出単語で、この違いが問題になります。
4. 母音の区別(短母音の多さ)
英語には日本語の「ア」に近い音だけでも複数あります。たとえばhat、hot、hutはそれぞれ異なる母音ですが、日本語話者にはすべて「ア」に聞こえがちです。母音の微妙な違いが聞き取れないと、発音でも区別できません。
関連: 日本語と英語の「音」はこんなに違う|母音・子音・リズムの比較で発音矯正の第一歩 で詳しく解説しています。
5. 語末の子音
日本語はほぼすべての音がモーラ単位で母音を伴います。そのため、英語の語末にある子音のあとに無意識に母音を足してしまう傾向があります。たとえばbookが「ブック」のように2音節に聞こえると、不自然な印象を与えます。
6. SIとSHIの区別
日本語の「シ」は英語のSHIに近い音です。そのため、seatと言いたいのにsheetに聞こえてしまう問題が起こります。SIの音を出すには、舌の位置をSHIのときよりも前に移動させる意識が必要です。
7. WとVの混同
日本語には英語のVに相当する音がないため、WとVの区別が曖昧になりがちです。wineとvineの区別がつかないと、意味の取り違えにつながります。
8. 語中の弱母音(あいまい母音)
英語では、強勢が置かれない音節の母音が非常に弱く短くなります。この「あいまい母音」と呼ばれる音は、英語の中で最も頻繁に使われる母音ですが、日本語にはこの概念がありません。aboutやbananaの最初の母音がその例です。すべての母音をはっきり発音してしまうと、英語としてのリズムが崩れます。
9. 子音の連続(子音クラスター)
strengthやscriptsのように、複数の子音が連続する構造は日本語にはありません。日本語話者はこうした子音の間に母音を挿入してしまいやすく、本来1音節の語が3〜4音節に聞こえることがあります。
10. 英語特有のリズムとストレス
個々の音が正しくても、単語や文全体のリズムが日本語的だと通じにくくなります。英語では強く読む音節と弱く読む音節の差が非常に大きく、この強弱パターンが意味の伝達に重要な役割を果たしています。日本語のモーラ(拍)ベースの等間隔リズムでそのまま英語を話すと、ネイティブスピーカーにとって聞き取りにくい音になります。
正しい音を出すための口の動き──10の苦手音を攻略するポイント
| 音の種類 | 重要ポイント | 具体的な方法 |
|---|---|---|
| R/L | 舌の位置 | L:舌先を上歯茎に、R:舌先は宙に浮かす |
| TH、F/V | 歯と唇の使い方 | TH:舌先を歯の間に、F/V:上歯で下唇を |
| リズム・母音 | 力の加減 | 強弱の波、あいまい母音は力を抜く |
発音矯正で最も重要なのは、「口の中で何が起きているか」を理解することです。それぞれの苦手音について、口・舌・歯の物理的なポジションを意識するだけで、音の質が変わります。
口・舌・歯の位置を意識するだけで、苦手な英語の音は大きく変わる
RとLの区別
Lの音は、舌先を上の前歯のすぐ後ろ(歯ぐきの裏)にしっかりつけた状態で声を出します。舌先が「触れている」感覚を意識してください。
Rの音は、舌先をどこにもつけません。舌全体を少し後ろに引き、舌先を宙に浮かせた状態で声を出します。唇をやや丸める意識を持つと、より英語らしい音になりやすいです。
ポイントは「Lは舌先が上につく、Rは舌先がどこにも触れない」という対比を身体で覚えることです。
THの音
上下の前歯の間に、舌先をわずかに出します。鏡で見たとき、舌先がほんの少し見えるくらいが目安です。そのまま息を出すと、thinkタイプの無声のTH。声帯を振動させると、thisタイプの有声のTHになります。
日本語の「サ」や「ザ」のときの舌の位置とはまったく異なるので、最初は意識的に舌を歯と歯の間に持っていく練習が効果的です。
FとVの音
上の前歯の先端を、下唇の内側の湿った部分に軽く当てます。この状態で息を出すとFの音、声を加えるとVの音です。
日本語の「フ」は両唇を使いますが、英語のFでは下唇と上の歯が触れ合います。鏡で確認して、上の歯が下唇に触れているかをチェックしてみてください。
母音の区別
hatの母音は、口を横に広げながら下あごを大きく下げます。顎が指2本入るくらい開くイメージです。hotの母音は、口を縦に開いて喉の奥で響かせます(地域によって口の形に差異があります)。hutの母音は、口を軽く開いた自然な状態で、力を抜いて「ア」に近い音を出します。
3つの「ア系の音」は、口の開き方と緊張度が異なることを意識してください。
語末の子音
bookの語末のkを発音したあと、口を閉じたままにします。「ク」と言い切らず、舌の奥が上あごについた状態で止める感覚です。日本語話者が無意識に加えてしまう「ウ」の母音を足さないことが鍵です。
コツは、語末の子音で口の動きを「止める」練習をすることです。
SIとSHIの区別
SIの音は、舌先を下の前歯の裏に近づけ、舌の前の部分と歯ぐきの間の狭い隙間から息を通します。SHIの音では、舌全体が少し後ろに下がり、口の中の空間がやや広くなります。
日本語の「シ」を言うときの口の形から、舌を少し前に移動させると英語のSIに近づきます。
WとVの区別
Wは両唇をすぼめて丸くし、そこから素早く唇を開きながら声を出します。唇が震えるほど強くすぼめる必要はありませんが、しっかり丸める意識が大切です。
Vは先述のとおり、上の歯と下唇で出す音です。WとVは唇の使い方がまったく異なるので、鏡を見ながら唇の形を確認するのが有効です。
あいまい母音
口を軽く開き、舌も唇もどこにも力を入れない、完全にリラックスした状態で短く声を出します。日本語の「ア」「エ」「オ」のどれとも違う、ぼんやりとした中間的な音です。
英語の強勢のない音節では、この「力の抜けた短い音」が頻繁に登場します。しっかり発音しようとせず、むしろ「手を抜く」くらいの感覚で発音するのがコツです。
子音クラスター
たとえばstrengthの冒頭では、s→t→rという3つの子音が途切れなく続きます。間に母音を入れずに、一息で子音だけを連続させる練習が必要です。
最初はゆっくりで構いません。s...t...r...と一つずつ音を出し、徐々に間隔を詰めていくと、やがて自然なつながりになります。
リズムとストレス
英語の文では、重要な意味を持つ単語(名詞・動詞・形容詞・副詞など)を強く長く読み、機能的な語(冠詞・前置詞・接続詞など)を弱く短く読むのが基本的なパターンです。
たとえば "I went to the store" では、wentとstoreが強くなり、I、to、theは弱く素早く処理されます。この強弱の波を意識することで、個々の音が多少不完全でも通じやすくなります。
今日から始められる発音矯正トレーニング
| ステップ | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 基礎練習 | 鏡での口形確認、ミニマルペア | 視覚的フィードバック、音の区別 |
| 応用練習 | シャドーイング、音声入力確認 | リズム習得、簡易チェック |
| プロ指導 | 専門インストラクター | 個人の癖を的確に診断・矯正 |
ステップ1:鏡を使った口の形チェック
録音やシャドーイングなど、今日からできる発音矯正トレーニングを実践しよう
まずは鏡の前に立ち、上で説明した口の形を一つずつ確認してください。特にR/L、TH、F/Vは口の形に明確な違いがあるため、視覚的なフィードバックが非常に効果的です。毎日5分、3つの音だけに絞って練習するのがおすすめです。
ステップ2:ミニマルペアで耳と口を鍛える
ミニマルペアとは、1つの音だけが異なる単語の組み合わせのことです。right/light、fan/van、sea/sheなどのペアを交互に発音し、自分で聞き分けられるかを確認します。
スマートフォンの録音機能を使って自分の発音を録音し、聞き比べるのも有効な方法です。自分では区別しているつもりでも、録音を聞くと同じ音になっていることがよくあります。
ステップ3:シャドーイング(音声に重ねて話す練習)
英語の音声素材を聞きながら、少し遅れて同じ内容を声に出す練習法です。個々の音だけでなく、リズムやストレスのパターンもまとめて身につけることができます。
最初は短いフレーズから始め、慣れてきたら文単位、段落単位に広げていくのが効果的です。
ステップ4:スマートフォンの音声入力で確認する
スマートフォンの言語設定を英語にした状態で音声入力を使い、自分の発音が正しく認識されるかを試してみてください。たとえばrightと言ったつもりなのにlightと表示される場合、RとLの区別がまだ不十分だと分かります。
ただし、音声入力はあくまで簡易的なチェックツールです。細かな発音の癖や改善点を正確に診断し、体系的に矯正するには、発音指導の専門知識を持ったインストラクターによるコーチングが不可欠です。
ステップ5:プロの指導で弱点を的確に把握する
自主練習には限界があります。私自身、マニラのマカティで暮らして12年以上になりますが、ある日、地元の印刷所でcopyという単語がどうしても通じなかったことがあります。何度言い直しても相手は首をかしげるばかりで、最終的にスマートフォンに打ち込んで見せて、ようやく伝わりました。あとで振り返ると、copyの強く読む音節と弱く読む音節のリズムが日本語のモーラ(拍)ベースの等間隔になっていたことが原因でした。日常的に英語を使う環境にいても、自分の発音の癖には気づきにくいものです。
プロナビでは、日本人特有の発音の癖を熟知したインストラクターが、一人ひとりの弱点に合わせた矯正プログラムを提供しています。自主練習で基礎を固めつつ、プロのフィードバックを受けることで、発音矯正の効率は大幅に上がります。
FAQ
Q: RとLの区別は、大人になってからでも身につきますか?
身につきます。子どもの方が音を聞き分ける柔軟性が高いのは事実ですが、大人は口の形や舌の位置を理論的に理解して再現できるという強みがあります。意識的な練習を継続すれば、年齢に関係なく改善は可能です。
Q: 10個の苦手音を全部一度に練習すべきですか?
一度にすべてに取り組むのは非効率です。まずは自分にとって最も問題になっている音をいくつかに絞り、集中的に練習することをおすすめします。一つの音がある程度安定してから次に進む方が、着実に成果が出ます。
Q: ネイティブのような発音を目指す必要がありますか?
必ずしもネイティブと同じ発音を目指す必要はありません。重要なのは、相手に正しく意味が伝わる明瞭な発音です。ただし、RとLやTHのように、間違えると別の単語に聞こえてしまう音については、しっかり区別できるレベルを目指す価値があります。
Q: 発音矯正アプリだけで十分ですか?
発音練習に使えるツールは自主練習の補助としては有用です。しかし、アプリは個人の癖に応じた柔軟な指導ができないため、根本的な矯正には限界があります。自分の発音の何が問題で、どう修正すべきかを正確に診断するには、専門のインストラクターによるマンツーマン指導が最も効果的です。
Q: どのくらいの期間で発音は改善しますか?
個人差がありますが、特定の音に絞って毎日10〜15分の練習を続けた場合、2〜4週間ほどで変化を実感する方が多いです。ただし、定着するまでにはさらに時間がかかるため、焦らず継続することが大切です。
まとめ──苦手な音を知ることが、発音矯正の第一歩
日本人が英語の発音で苦労する原因は、日本語と英語の音の体系やリズムの違いにあります。RとL、TH、F/V、母音の区別、子音クラスター、そして英語独特のリズム。これらの苦手音は、口の動きの違いを正しく理解し、意識的に練習することで改善できます。
まずは鏡の前で口の形を確認するところから始めてみてください。そして、自主練習だけでは気づけない癖を修正するために、プロナビの発音矯正コーチングの活用もぜひ検討してみてください。
