THの発音矯正|日本人が一生できないと感じる原因と正しい舌の使い方

THの発音矯正方法を解説。日本人がTHを「舌を出す」だけでは発音できない理由と、正しい舌・歯・息の連携テクニックを紹介。

THの発音矯正|日本人が一生できないと感じる原因と正しい舌の使い方

Summary

  • THの発音ができない主な原因は、舌の位置だけに意識が集中しすぎており、息の流し方と声帯の使い方を含めた3要素の連携が不十分なこと
  • 日本人は舌を出しすぎる、サ行・ザ行で代用する、息の要素を見落とすという3つの典型的な間違いを犯しやすい
  • 正しいTHの発音には舌先を前歯に軽く当てて隙間から息を流す技術と、鏡・手のひらチェックや最小ペア練習などの具体的な練習方法が効果的

THの発音が「一生できない」と感じてしまう本当の理由

問題の本質解決のポイント
舌の位置だけに意識が集中しすぎている舌・息・声帯の3要素を連携させる
才能や口の構造の問題と思い込んでいる正しい練習方法で大人でも習得可能

英語の発音で、日本人が最も苦手意識を持ちやすい音の一つがTHです。「舌を噛む」「舌を前歯から出す」といったアドバイスは、英語学習を始めた頃に誰もが一度は聞いたことがあるはずです。

英語の発音練習中に口元に意識を集中させている日本人学習者 THの発音は舌の位置だけでなく、息の流し方と声帯の使い方を含めた3要素の連携が重要です

それでも、いざ英会話の場面で"think"や"the"を言おうとすると、どうしても不自然になる。相手に聞き返される。自分でも違いがわからない——こうした経験が積み重なり、「自分にはTHの発音は一生できないのでは」という諦めにつながってしまうケースは少なくありません。

しかし、THの発音ができない原因は「才能」や「口の構造」ではありません。多くの場合、舌の位置だけに意識が集中しすぎていることが根本的な問題です。THの発音は、舌の位置・息の流し方・声帯の使い方という3つの要素が連携して初めて成立します。そのうちの1つだけを練習しても、正しい音にはなりません。

この記事では、THの発音がうまくいかない原因を整理し、「舌を出す」だけでは解決しない理由と、具体的な練習方法を紹介します。


日本人がTHの発音で陥りやすい3つの間違い

間違いの種類具体的な問題正しい方法
舌を出しすぎている舌を大きく突き出してしまう舌先が上の前歯にごくわずかに触れる程度
サ行・ザ行で代用日本語の近い音で無意識に置き換え舌先の位置を前歯の先端に正確に配置
息の要素を見落とし舌の位置のみに注目し摩擦音を軽視舌と歯の隙間を息が擦り抜ける感覚を重視

間違い1:舌を出しすぎている

「舌を前歯から出す」という説明を聞くと、舌を大きく突き出してしまう方が多くいます。実際のTHの発音では、舌先が上の前歯の先端にごくわずかに触れる程度で十分です。舌を出しすぎると、息の通り道が変わってしまい、かえって不自然な音になります。

関連: 英語発音矯正の基本|「口の形」と「舌の位置」で発音が大きく変わる理由と練習法 で詳しく解説しています。

間違い2:THを「サ行」や「ザ行」で代用している

日本語にはTHに相当する音が存在しません。そのため、日本語話者は無意識のうちに最も近い日本語の音で代用してしまいます。具体的には、"think"を「シンク」や「スィンク」のように「サ行」で発音したり、"the"を「ザ」のように「ザ行」で発音したりするパターンです。

サ行・ザ行の音は、舌先が上の歯茎の裏側付近に近づいて作られます。一方、THの音は舌先が上の前歯の先端または前歯のすぐ裏に軽く触れる位置で作られます。この数ミリの位置の違いが、ネイティブスピーカーにとっては全く別の音として聞こえるのです。

関連: 「BとV」「FとH」の発音矯正|日本人が混同しやすい子音ペアの克服法 で詳しく解説しています。

間違い3:「息」の要素を見落としている

THの発音で最も見落とされがちなのが、舌と歯の間を息が通り抜ける感覚です。THは、舌先と上の前歯の間にできるわずかな隙間を息が擦り抜けることで生まれる音です。音声学では「摩擦音」と呼ばれ、空気の摩擦によって音を出す仕組みになっています。

舌の位置が正しくても、息の流し方が弱すぎたり強すぎたりすると、サ行やザ行に聞こえてしまいます。舌を置くだけでなく、息をコントロールする意識が必要です。


正しいTHの発音テクニック——舌・歯・息の3点セット

ステップ方法確認ポイント
舌のポジション確認舌先を上の前歯の先端または裏側に軽く当てる鏡で舌先が前歯の縁あたりにあることを確認
息の通り道作成舌と歯の隙間から息を流す手のひらで温かい息を感じられる
声帯の振動切替無声THは息のみ、有声THは息+振動喉に手を当てて振動の有無を確認

THの発音には、実は2種類あります。声帯を振動させない「無声のTH」(think, thank, threeなどに出てくる音)があります。もう一つは、声帯を振動させる「有声のTH」(the, this, thatなどに出てくる音)です。

鏡の前で舌先を前歯に当てながら英語の発音を確認している様子 舌先が上の前歯の縁に軽く触れているかを鏡で確認しながら練習します

どちらのTHも、舌と歯の位置は基本的に同じです。違いは声帯を使うかどうかだけです。

ステップ1:舌のポジションを確認する

口を軽く開き、舌先を上の前歯の先端、もしくは前歯のすぐ裏側にそっと当てます。話者によって舌先が歯の間からわずかに見える位置になる場合と、歯の裏に隠れる位置になる場合があり、どちらも正しいTHの音を出すことができます。鏡で確認したとき、舌先が前歯の縁あたりにあることが目安です。舌を大きく突き出す必要はありません。

ステップ2:息の通り道を作る

舌先を前歯に当てた状態で、舌と歯の間の隙間から息を流します。このとき、手のひらを口の前にかざしてみてください。わずかに温かい息が感じられれば、正しく息が通っている証拠です。

「スー」というサ行の音ではなく、もっと柔らかく、幅の広い空気の流れを意識します。舌の面積が広い分、サ行よりも息が分散した音になるのが正しい状態です。

ステップ3:声帯の振動を切り替える

無声のTH(think系)では、息だけを流します。喉に手を当てたとき、振動を感じないのが正しい状態です。

有声のTH(the系)では、息を流しながら同時に声帯を振動させます。喉に手を当てたとき、ブルブルと振動を感じるはずです。この「息+振動」の組み合わせが、有声THの正体です。

よくある「惜しい」状態とその修正

THの発音は、舌の位置が合っていても息の流れ方がずれていると、別の音に聞こえてしまうことがあります。

私自身、マニラの印刷所で"copy"を頼んだ際に、何度も聞き返されたことがあります。日本語の「コ・ピ・ー」という3つの拍(モーラ)で均等に発音していたことが原因でした。この経験をきっかけに、英語の個々の音だけでなく、音の出し方全体——舌の位置、息の方向、リズムの付け方——を総合的に意識する重要性に気づきました。THの発音も同じで、舌を前歯に当てていても、息が舌の横から漏れていたり、前に押し出す力が足りなかったりすると、正しい音にはなりません。鏡と手のひらを使って息の流れを確認する習慣をつけることで、こうしたずれは少しずつ修正できます。


THの発音を定着させる具体的な練習方法

練習方法内容所要時間・頻度
鏡+手のひらチェック舌の位置と息の流れを視覚・触覚で確認毎日2分
最小ペア練習think/sink、the/zaなどの対比で違いを体感各ペア5回ずつ交互に
短い文での練習文中のTHで舌の動きを意識ゆっくり1語ずつ区切って
音声入力確認スマートフォンで認識精度をチェック簡易的な確認手段として活用

練習1:鏡+手のひらチェック(毎日2分)

手のひらを口の前にかざして息の流れを確認しながら英語を発音している人 手のひらに温かい息を感じられれば、舌と歯の間を正しく空気が通っている証拠です

鏡の前で口を開き、舌先が前歯の縁に軽く触れている状態を目で確認します。その状態で息を流し、口の前にかざした手のひらに空気を感じるかチェックします。まずは音を出さず、「息だけ」の状態を30秒ほど繰り返します。

息の感覚がつかめたら、次に声を加えて有声THの練習をします。喉に片手を当て、振動を感じながら息を流す練習を30秒行います。

練習2:最小ペアで違いを体感する

THの音と、日本語話者が代用しがちな音を交互に発音して、口の中の違いを体で覚えます。

  • think と sink:舌先が前歯に触れるか、歯茎の裏に近づくかの違いを意識する
  • the と za(日本語の「ザ」):舌の位置と、息の幅の違いを感じる
  • three と free:舌先が前歯に当たるか、下唇に当たるかの違いに注目する

それぞれのペアを、ゆっくり交互に5回ずつ繰り返します。スピードよりも、舌の位置が毎回同じ場所に戻っているかを重視してください。

練習3:短い文で文中のTHに慣れる

単語単体ではうまくいっても、文の中に入るとTHの舌の位置が崩れることがよくあります。以下のような短い文で、THが出てくるたびに舌の動きを意識しながらゆっくり読んでみてください。

  • "I think this is the one."
  • "Thank you for that."
  • "The weather is worth thinking about."

最初はゆっくり、1語ずつ区切りながら練習します。THの音が出てくる直前に一瞬だけ間を取り、舌先を前歯にセットしてから発音する癖をつけると、徐々に自然な速さでも舌が正しい位置に動くようになります。

練習4:スマートフォンの音声入力で確認する

スマートフォンの言語設定を英語にした状態で音声入力を使い、THを含む単語を発音してみてください。"think"と言って"sink"と認識されたり、"three"と言って"free"と変換されたりする場合は、まだTHの音が正確に出せていない可能性があります。

ただし、音声入力はあくまで簡易的な確認手段です。機械の認識精度には限界があるため、自分の発音の何がずれているかを正確に診断するには、専門のコーチから直接フィードバックをもらうのが最も確実です。


FAQ

Q: THの発音は、どのくらい練習すれば安定しますか?

個人差がありますが、毎日2〜3分の集中練習を2〜3週間続けると、単語レベルでは安定してくる方が多いです。ただし、文中や会話のスピードの中で自然に出せるようになるには、さらに数週間から数カ月の継続が必要になることもあります。重要なのは「完璧を目指す」よりも「少しずつ舌の動きを体に覚えさせる」という意識で取り組むことです。

Q: 有声のTH(the, this)と無声のTH(think, thank)は、どちらから練習すべきですか?

どちらから始めても問題ありませんが、無声のTHから始めるのがおすすめです。声帯の振動がない分、息の流れだけに集中しやすいためです。息の感覚がつかめたら、そこに声帯の振動を加える形で有声THの練習に移ると、スムーズにステップアップできます。

Q: 子どもの頃から英語に触れていないと、THの発音は身につきませんか?

大人になってからでもTHの発音は習得できます。日本語にない音であるため最初は違和感がありますが、舌・歯・息の正しい連携を意識して練習すれば、年齢に関係なく改善は可能です。むしろ大人の方が、自分の口の中で何が起きているかを論理的に理解しながら練習できるという利点があります。

Q: THをうまく発音できているかどうか、自分では判断しにくいのですが?

自己判断が難しいのは当然のことです。自分の発音は骨伝導の影響もあり、他人が聞いている音とは異なって聞こえます。録音して聞き返す方法もありますが、何が正しくて何がずれているかを客観的に判断するのは、発音の知識がないと難しい作業です。プロナビのような発音矯正の専門コーチに見てもらうことで、自分では気づけない癖を的確に指摘してもらえます。

Q: "th"のスペルが含まれていても、THの音にならない単語はありますか?

あります。たとえば"Thomas"や"Thailand"では、THのスペルが含まれていますが、実際には通常のTの音で発音されることが多いです。こうした例外的な単語は、個別に覚える必要があります。判断に迷ったときは、発音専門のコーチや信頼できる英語音声教材で実際の音を確認する習慣をつけておくと安心です。


まとめ:THの発音は「舌を出す」から「舌・歯・息を連携させる」へ

THの発音がうまくいかない最大の原因は、「舌を出す」という一点だけに意識が偏り、息の流し方や声帯の使い方という他の重要な要素が抜け落ちていることです。

この記事のポイントを振り返ります。

  • THの発音は、舌先を上の前歯の先端または裏側に軽く当て、その隙間から息を擦り抜けさせる摩擦音である
  • 日本語話者はサ行・ザ行で代用しがちだが、舌の位置が数ミリ異なる別の音である
  • 無声TH(think系)と有声TH(the系)の違いは、声帯を振動させるかどうかだけである
  • 鏡・手のひら・音声入力を使って、視覚と触覚でフィードバックを得ながら練習する

一人で練習を続けていると、自分の癖に気づけないまま誤った発音が定着してしまうリスクがあります。THに限らず、発音矯正は専門のコーチによる客観的な診断とフィードバックが上達への最短ルートです。プロナビでは、一人ひとりの発音の癖を分析し、個別に最適な矯正プランを提供しています。THの発音に悩んでいる方は、まずプロのコーチに自分の現状を診断してもらうことから始めてみてください。

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AIエンジニア / ITエンジニア歴35年以上 / 海外在住12年以上のCEFR B1英語学習者

外資系の現場で「英語が話せず評価が伸びない」苦しさを体験し、海外移住後も印刷所で「copy」が通じないような発音の壁に何度もぶつかってきました。今もプロ講師の指導を受けながら、AIだけに頼らない英語学習を続けています。同じようにAI時代でも英語で悩む日本人ビジネスパーソンに向けて、現場目線で記事を書いています。